昨年11位からひとつ順位を上げてランクインしたのが阪急神戸線「御影」(神戸市東灘区)。ランキングでは毎年10位前後をキープしており、安定した人気を保っている街だ。西宮北口から神戸三宮まで5つの駅がランクインしている阪急神戸線のなかでも、一番に落ち着いたたたずまいを見せる街でもある。
御影は古くから六甲の湧き水を活かした酒造りが盛んな地域で、大正から昭和初期にかけては豪邸も数多く建てられた場所。駅の周辺はサッカーの神様で知られる弓弦羽神社や、白鶴美術館、香雪美術館、世良美術館なども点在する静かな街だ。東側は住吉川、西側は石屋川が流れ水辺には公園も整備されているため、休日はのんびりと散策する人も多い。
阪神間は山側から阪急、JR、阪神と3本の鉄道が東西に走り、それぞれが梅田(大阪)と神戸三宮を結ぶという非常に面白いエリアである。街の特徴も共通しており、山の手に行くほど閑静な住宅地が広がっているという傾向が見られるが、御影の街を歩くとよく分かる。
阪急神戸線より北側は山も迫っており、坂道に沿うように大きな邸宅が並ぶ住宅街となっている。坂道を登るのは大変だが、海へと開けた眺望が楽しめるエリアでもある。さらに山の手には、バス便利用のエリアとなるが住宅地やURの団地も広がっている。
阪急御影駅から海側、JR線にかけては平地が広がり、古くからのお屋敷も多く残るエリア。山手幹線と呼ばれる道路沿いにはセレクトショップやレストランや、人気のケーキショップも並ぶ。JR住吉駅周辺は再開発が進み商業施設も充実しているほか、タワーマンションも建てられており、国道2号線を挟んでマンションの供給も多いエリア。さらに南下して阪神御影駅へ近づくと下町情緒も残る住宅街となるが、近年では阪神御影駅周辺でも再開発が進められタワーマンションが建つなど、街の様子が変わり始めている。
家賃相場について見ると、賃貸マンションでは1K・1DKで平均5万5000円、1LDK・2K・2DKは7.8万円、2LDK・3K・3DKは9.6万円。新築分譲マンションの購入価格については、現時点で2018年入居可の物件が3件あるが、いずれも価格は未定。中古マンションは650万円~となっている。(SUUMO掲載情報より抜粋、2017年7月9日時点)
街の成熟度を考えると賃料相場はそれほど高くはないだろう。こだわりのある暮らしを、と考えるなら、候補に挙げてみたい街だ。
御影は、関西住みたい街ランキングで毎年10位前後をキープする、安定した人気がある街
六甲山からの清流に囲まれた、伝統のある落ち着いた住宅地
街の成熟度を考えると賃料相場は高くなく、穴場のエリア